2025年2月某日。
保育園にお迎えに行くと、1歳の息子が私を見つけるなり初めて「ママァ!」と言った。
…確かに言った。間違いなく言った!驚きと嬉しさで思わず開いた口を覆う私。
そばにいた保育園の先生が拍手して、「おめでとうございます、お母さん!息子くん、ママって言えるようになりましたね!」と、一緒に喜んでくれた。
「嬉しいです!ありがとうございます😭」と感激しながら、もう一回言ってみて?とお願いしてみた。でも、その日はもう言わなかった。まぐれだったのか。
ーーー
そんな出来事の翌日、お風呂上がりに寝る支度をしてる最中のこと。息子が私を見て「ママ」と言った。
もう、何とも言えない嬉しさが込み上げてくる。
特に生まれたばかりの頃は、眠るか泣くかミルクを飲むか。視力がまだ発達途中の赤ちゃんとは目が合うこともほとんどない。小さな命のための黒子としてただひたすらお世話に徹する日々。
それが、成長とともに少しずつ変わってきた。目が合えばニコッと笑い、嫌なことはイヤイヤと首を振り、自分の意思を伝えようと一生懸命な瞬間が増えてきた。言葉でのコミュニケーションができる日が楽しみで仕方なかった。
最近では、物を指さして「あ!」と声を上げたり、なぜか「葉っぱ」だけは言えたりするようになった。自己主張も増え、イヤイヤ期の片鱗がちらほら見え始めるなど、育児の大変さも(もちろん面白さも)増してきた。
そんな中、突然訪れた「ママ」と呼ばれる日。この子にとっていま「ママ」がどんな意味なのかはまだ分からない。もしかしたら、私のことじゃないのかもしれない。でも、それでもいい。
ーーー
夜、寝かしつけのとき。息子が小さな声で「ママ」と言った。
「ママ」
「なあに?」
「ママ」
「はぁい」
「ママ」
「うんうん」
「ママ」
何度かやりとりを繰り返し、息子は眠りについた。
私は、幸せな気持ちで胸がいっぱいだった。
妊娠中、息子に会える日が来るのか不安に押しつぶされそうな時もあった。悩みに悩んだ日々もあった。
でも今、お腹の中にいた小さな命が目の前にいて、そして「ママ」と呼んでくれている。何度も、何度も。
きっとこれから、もっとたくさん呼んでくれる。今はまだたどたどしい「ママ」だけど、そのうちもっと力強く呼んでくれるだろう。
寝息を立てる小さな手をぎゅっと握って、「生まれてきてくれて、本当にありがとう」と心から思った。
これからがもっともっと楽しみだ。